【大学入試】検索型AIでの情報収集
- 自習ノート2
- 27 分前
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はじめに
大学受験指導に携わる高校教員にとって、正確かつ最新の入試情報を収集することは欠かせない業務の一つです。生徒一人ひとりに最適な進路指導を行うためには、膨大な大学・学部の情報や入試情報を適格に把握し、常にアップデートし続ける必要があります。
かつては「蛍雪時代」をはじめ「大学受験年鑑」などの大学入試情報誌が、私たち教員にとっての重要な情報源でした。分厚い冊子をめくりながら、志望校の偏差値や募集要項、入試日程などを確認していた、という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
しかし現在では、インターネットの普及により、大学の公式サイトや「パスナビ」といった入試情報ポータルサイトから、必要な情報をピンポイントで探せるようになりました。
そして、近年ではAI技術の発達により情報収集の効率は飛躍的に向上しています。特に「検索型AI」と呼ばれるツールは、複数の情報源から必要なデータを瞬時に取得し、整理して提示してくれるため、限られた時間の中で質の高い進路指導を実現する強力な味方となっています。
本記事では、検索型AIを活用した大学入試情報収集の具体的な方法と、実際の指導現場での実践例をご紹介します。日々の業務に追われる中でも、効率的に情報を集め、生徒に的確なアドバイスを届けるためのヒントとしてお役立ていただければ幸いです。
目次
検索型AIとは?
検索型AIとは、従来の検索エンジンとAI技術を組み合わせた情報収集に特化したツールです。Google検索のように検索結果のリンクを一覧表示するだけでなく、複数のWebページから情報を自動的に収集・分析し、質問に対する回答を文章形式でまとめて提示してくれます。
私たち教員が入試情報を調べる際、これまでは複数の大学サイトを訪問し、それぞれのページから必要な情報を探し出す必要がありました。しかし検索型AIでは「○○大学の2026年度入試変更点」といった質問を投げかけるだけで、関連する情報を横断的に検索し、要点を整理した回答を数秒で得ることができます。さらに、情報源となったWebページへのリンクも同時に提示されるため、必要に応じて一次情報の確認も容易です。
現在、いくつかの検索型AIサービスが登場していますが、ここでは代表的な3つのツールをご紹介します。
Perplexity(パープレキシティ)
検索型AIの先駆けとして広く知られているサービスです。質問を入力すると、リアルタイムでWeb上の情報を検索し、引用元を明示しながら回答を生成します。大学の入試要項や学部情報など、複数の情報源を横断して調べたいときに特に便利で、無料プランでも十分な機能が使えるため、初めて検索型AIを試す方にもおすすめです。
Genspark(ジェンスパーク)
検索結果をより構造化して提示することに長けたツールです。単に回答を表示するだけでなく、関連するトピックや視点を整理して提案してくれるため、一つのテーマについて多角的に情報を集めたい場合に役立ちます。例えば、特定の学部系統について調べる際、複数大学の比較情報や関連する進路情報なども同時に提示してくれます。
Felo(フェロ)
日本発の検索エンジンで、多言語対応に優れた検索型AIです。海外大学の情報や英語で公開されている最新の教育トレンドなどを調べる際に、日本語で質問しても適切に翻訳・検索して回答してくれます。また、音声入力にも対応しているため、移動中や手が離せないときでも情報収集ができる点が特徴です。また、日本発AIツールということで日本国内の情報にも強く、日本国内での運用のため日本国内の高いセキュリティ基準ですので、安心して利用ができるツールでもあります。
尚、GensparkとFeloについては、エージェント機能や画像生成ツール、スライド作成機能など多機能型AIとしても有名です。
Chat-GPTなどの従来型のAIと検索型AIの違い
こまで検索型AIをご紹介してきましたが、「ChatGPTとどう違うの?」と思われた方もいるかもしれません。どちらもAIが質問に答えてくれる点は同じですが、情報を得る仕組みと得意なことが違います。
従来型AI(Chat-GPTなど)の特徴
従来型AIは、過去に学習したデータをもとに回答を作ります。一般的なアドバイスや文章作成が得意で、たとえば「志望理由書の書き方は?」や「面接のコツは?」といった質問に適しています。ただし注意点として、学習した時点までの情報しか持っていないため、最新情報(例:2026年度の入試変更点)に対してはやや弱いです。また、情報源が示されないこともあるため、正確性の確認がしづらいという側面もあります。
検索型AIの特徴
検索型AIは、質問のたびにリアルタイムでWeb検索して回答を作ります。最新情報の収集が得意で、「昨日発表された入試要項」や「今年度の募集人員」といった情報にも対応できます。大きなメリットは、最新の情報に対応できることと、引用元のリンクが付いているので公式サイトなど一次情報をすぐ確認できることです。
実践例
ここからは、実際に筆者が主に活用している検索型AI「Felo」で実践した活用方法を2例紹介します。
1.入試日程・科目などの入試情報の収集
一例として早稲田大学一般選抜の入試日程と試験科目を調べてみます。
プロンプト:「早稲田大学の2026年度一般選抜の日程および試験科目を調べて、学部ごとに示してください。」
出力内容は以下のようになります。(実際のFeloの画面です)




わずか数秒でかなり詳しく、見やすく表示してくれます。引用元は上部の「ソース&思考」をクリックすると確認ができ、リンクになっているので大学のホームページなど直接引用元のサイトで詳細を確認することも可能です。この内容をpdfに出力することもできるので、資料として生徒に渡すこともできます。
従来であれば、大学入試情報サイトで検索をかけたり、大学の入試情報ページから探し当てる作業を自分で行っていましたが、それらの作業はすべてAIが代行し、まとめてくれるようになりました。このおかげで、入試情報の収集作業の効率が劇的に上がりました。
2.大学比較
筆者の勤務校の所在地である高知県には情報系の学部が高知大学と高知工科大学の2校あるので、検索型AIでその違いを比較してもらいます。
プロンプト:「高知大学理工学部情報科学科と高知工科大学情報学群とのカリキュラムや学びの内容の比較をして下さい」
出力内容は以下の通りです。(実際のFeloの画面です。)



大学それぞれの特徴を示してくれています。最後に見やすく比較表を示してくれたり、「まとめ」の項目で各大学の特徴を示してくれるのが良いです。
こちらも、入試情報収集同様に自分でそれぞれのホームページや、資料を見比べて調べていたことが、AIが代行してくれるような形になったので、作業効率が上がりました。
注意点
検索型AIは進路指導の現場で有効なツールですが、あくまで「検討資料」として活用することを念頭に置いてくことが大事です。AIが提示する情報は、生徒との面談や進路相談をスムーズに進めるための材料として捉え、最終的な判断材料とする前には必ず一次情報の確認を行うことが重要です。
検索型AIは従来のAIと比べてハルシネーション(事実と異なる情報を生成してしまう現象)が大幅に少ないという特徴がありますが、それでも表記に誤りが含まれる可能性はゼロではありません。特に入試日程や募集人員、出願資格といった重要な情報は、生徒の受験機会に直接影響を与えるため、AIの回答に付記されている引用元のリンクから、大学の公式サイトや入試要項PDFなど一次情報を必ず確認するようにすることが大切です。
このひと手間を加えることで、検索型AIの「情報を素早く集める力」と「正確性を担保する確認作業」を両立させることができ、生徒に対してより信頼性の高い情報を提示できるようになります。
まとめ
本記事では、大学入試情報の収集における検索型AIの活用方法をご紹介してきました。Perplexity、Genspark、Feloといった検索型AIは、最新の入試日程や募集要項をリアルタイムで検索し、引用元を明示しながら回答を提示してくれるため、従来の情報収集と比べて大幅な時間短縮が可能です。
重要なのは、検索型AIを「検討資料を素早く集めるツール」として位置づけ、最終的には引用元のリンクから公式情報を確認するというひと手間を加えることです。この使い方を徹底することで、効率性と正確性を両立させた情報収集が実現し、限られた時間の中でも生徒一人ひとりに質の高い情報を提供ができます。
この内容が進路指導業務の効率化の一助となれば幸いです。
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