Kahoot!活用ガイド~学校の授業で使いこなすために~(2025年版)
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- 5 時間前
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1. Kahoot!とは/最新版の概要

Kahoot!(カフート)は、教員が作成したクイズ・アクティビティを、生徒がスマートフォン・タブレット・PCでリアルタイムに解答する、参加型の学習プラットフォームです。ゲーム要素を取り入れることで、生徒の関心を高めながら学習を進められるのが特長です。
2025年現在、Kahoot! は教育用途向けに機能強化が進められており、 AI支援ツール、プレゼンテーション統合、Kahootopia(学習の可視化/報酬システム) など、新しい機能が追加されています。
教育向けプラン「Kahoot! EDU」や教員向けプラン「Kahoot!+」の導入が進んでおり、学校・学年横断での利用や、授業・課題連動型の運用がしやすくなっています。
2. 無料プランと有料プランの違い(2025年版)
以下は、2025年時点で Kahooot! のプラン体系と、それぞれで使える主な機能比較です。
プラン | 主な用途 | 主な機能・制限 |
無料プラン(Basic / Free) | 小規模授業、試し利用、個人利用 | クイズ作成・配信、ライブモード、簡易レポート、プレイヤー数の上限(制限) など |
有料プラン(Kahoot!+, Kahoot! EDU / Premium系) | 学校・複数クラスでの本格運用 | AI 質問生成・PDF → 問題変換、スライド統合、詳細レポート、非同期実施モード、チームコラボ機能、参加人数拡張など |
主な追加機能(有料版で使えるもの)
AI 支援ツール:PDF から自動的に問題を抽出・生成、スライド/ノート→Kahoot 変換など。
統合プレゼンテーション機能:PowerPoint/Google スライドと連携、Lecture モードなど。
Kahootopia(報酬・可視化システム):クラスの学習進捗を「島」や「報酬」形式で可視化。Leagues 機能も追加。
拡張型アクティビティ:ピン設置、スライダー、タイプ入力形式、調査/意見収集形式など多様な問題形式。
詳細レポート/成績管理:複数回クイズの統合分析、学習進捗トラッキングなど。
参加上限拡大・非同期モード:非同期(課題モード)で好きな時間に解答、参加人数の拡張など。
注意点として、有料機能の一部はプランによって段階的に解放されており、すべての機能が最上位プランで使えるわけではありません。
3. Kahoot!を使うメリット(最新視点を含めて)

Kahoot! を授業に導入する利点は従来から多く語られていますが、以下の点が最新世代で特に強く意識されるようになってきています。
学習意欲・参加意識の向上 ゲーム性、報酬システム、ライブ感などにより、生徒のモチベーションを引き出しやすい。
リアルタイムで理解度把握とフィードバック クイズ回答中/後に正答率を即時把握でき、生徒のつまずきをその場でフォローできる。
教員の準備工数軽減 AI支援でクイズ生成・資料変換が可能になり、教材準備の時間を削減できるようになってきている。
多様な学習スタイルへの対応 ライブ形式だけでなく非同期課題モードや調査形式問題、意見集約形式など、学びの形式を変えて対応可能。
可視化と報酬による学習促進 Kahootopia や Leagues 機能により、クラスでの達成感や共同の学習目標を可視化でき、協働学習を促すモチベーション要素になる。
教育データの活用 成績・解答傾向データが蓄積でき、個別支援や授業改善への活用が期待できる。
ただし、ネット回線環境の影響が依然として課題になることが多く、通信不安定だとスムーズな運用が難しいという報告もあります。
4. 基本操作・使い始めガイド(新機能含む)

以下は 2025年時点での操作手順です。UI の見た目は微調整されている可能性があります。
4-1. アカウント作成と初期設定
公式サイト(kahoot.com)へアクセス。
「Sign up/登録」ボタンを押し、アカウントを作成。教員なら “Teacher/Educator” プランを選択。
Google アカウントや Microsoft アカウントで連携登録が可能。
初期設定で学校名・学年・使用目的などを入力。
必要に応じてプラン選択・アップグレードを行う。
ヒント:無料プランから始めて、使い勝手を確かめてから有料プランに移行するのが現場では現実的です。
4-2. クイズ(Kahoot)・アクティビティの作成
ダッシュボードで「Create/作成」ボタンをクリック。
テンプレート選択または白紙スタート。
質問文と選択肢を入力。必要に応じて以下を活用:
画像・動画の挿入
スライド(説明用)挿入
新しい問題形式(ピン、スライダー、テキスト入力など)
AI支援機能を使う:(有料プランで利用可)
PDF → 問題変換
スライドやノートから自動質問生成
スプレッドシートからインポート
画像生成補助(将来機能)
問題順、タイムリミット、ポイント制度などを設定。
保存・プレビューで動作確認。
4-3. クイズ開始・運営方法
作成済み Kahoot を選び、「Play/開始」ボタンを押す。
教室で使うなら “Teach/ライブモード” を選択。
生徒に表示されるスクリーン上に PIN コードが表示され、生徒はそれを入力して参加。
各問題を順番に表示、生徒は自分の端末から回答。
解答後、スコア・ランキングがリアルタイムで表示される。
必要に応じて Lecture モード や Accuracy モード(スピードではなく正答重視)を使う。
クイズ終了後、詳細レポートで正答率、時間分析などを確認できる。
ヒント:問題ごとに戻る機能を使うと、難所問題を再度扱えるようになります(戻る機能対応プランあり)。
5. 授業での効果的な使い方/応用
5-1. グループ学習/協働学習での活用
生徒を小グループに分け、1端末を共有してチームで回答。
各チームで議論しながら最適回答を選ぶ形式にすることで 対話的思考 を促す。
Kahootopia をグループ別に設定して、グループ別進捗を視覚化・比較して競争感を演出。
5-2. 確認・復習・評価モードとして
授業終盤の確認テスト として Kahoot を使い、生徒が内容を振り返る機会を提供。
非同期モード(課題形式) を使い、生徒が好きな時間に解答できるようにする。
小テスト形式で複数回実施して、生徒の理解変化を追う。
誤答率が高い問題をピックアップして補足説明用スライドを挿入する。
5-3. 授業準備の工夫
教材と関連付けたクイズを作る。授業目標を明確にし、それに沿った問いを設計する。
AI サポートを活用して、PDF や既存資料をクイズに変換して時短化。
難易度調整:簡単な導入問題 → やや応用問題 → 総合問題の流れで作成。
タイム配分を意識し、各問題の制限時間を適切に設定。
生徒が集中力を切らさないよう、途中にメディア(画像/動画)や短いムーブメント(休憩・立ち上がる時間)を挟む。
毎回同じ型にしないことでマンネリ化を防ぐ。
6. 2025年以降の注目機能・トレンド
Kahoot! Energize(プレゼンテーション統合ツール):授業スライドとクイズを融合する講義モード。
PDF の問題抽出機能強化:アップロードした PDF から既存の問いを自動抽出する機能が改善。
Kahootopia Leagues:クラス全体・グループの対抗リーグ形式で報酬を獲得できる仕組み。
より洗練された AI 質問生成:言語・難易度指定、スタイル調整対応。
カスタム背景・キャラクターなど、見た目のカスタマイズ性強化。
包括的なアクセス性・多様な学習者対応(特別支援、言語支援など)に関する取り組みが強化。
7. 注意点・運用上のポイント
ネット回線の安定性:通信が不安定だと生徒が回答できない、遅延が発生するなどの支障が生じる可能性あり。バックアップ教材の用意を。
生徒端末の準備:端末は事前に接続テストをすること。ブラウザ対応やアプリ対応を確認。
解答表示・時間管理:制限時間が厳しすぎると逆効果になることもある。生徒のレベルに応じて調整を。
プライバシー・運用ルール:ニックネームの適切化、悪意のある入力への対応策を考慮。
過度な競争を避ける:順位表示やポイントゲーム化はモチベーションになり得るが、生徒間格差感を生まないよう配慮。
振り返りと改善:クイズ終了後に解答傾向を分析し、次回改善に生かす。
段階導入を心がける:まずは小規模で試し運用し、教員・生徒とも慣れてから本格導入するのが安全。
8. まとめ
Kahoot! は従来から教育支援ツールとして強みがありましたが、2025年現在では AI 支援機能や統合プレゼン、報酬システム(Kahootopia)などの追加により、「教材作成支援」「学習の見える化」「対話型授業の拡張」といった面での利便性が大きく向上しています。
その一方で、通信環境や生徒端末の整備、運用ルール設計という実務面の調整は引き続き重要です。まずは無料版や限定クラスで試行し、段階的に導入を進めながら、教員間でノウハウを共有して拡張していくのが現実的な道だと思います。
今回はこれで終わりです。次回もお楽しみに!
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それでは、また次回の記事でお会いしましょう!
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