ChatGPTで時間割作成がここまでラクに!―「小学教諭向け時間割作成BOT」で実現する、現場の働き方改革―
- 自習ノート2
- 4 日前
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目次
はじめに
小学校の時間割作成――それは毎年春の恒例行事でありながら、もっとも頭を悩ませる業務のひとつです。
学年ごとの教科数・特別教室の利用制限・専科との兼ね合い・クラブ活動・行事予定……。
これらをすべて手作業で調整するのは至難の業です。
そんな中、ChatGPTを活用して「時間割作成BOT」を作成し、時間割を自動生成する仕組みが完成しました。
本記事では、そのBOTの仕組み・活用例・現場での実践方法を、実際の画面例(参考画像)をもとにわかりやすく解説します。
1. 時間割作成が難しい3つの理由

時間割づくりは単なる「並べ替え作業」ではなく、学校全体のリソース最適化です。以下の3つの要因が重なることで、複雑さが指数関数的に増します。
(1)複雑な制約とバッティング防止
音楽・図工・理科・家庭科・外国語などの「専科教科」は、同時間帯に複数クラスが重ならないように配置する必要があります。
特別教室(音楽室・理科室・図工室・家庭科室・体育館など)も、同時使用不可。
教科ごとに担当教員が異なるため、人的リソースのバッティングも防がなければなりません。
➡ これらを全学年(1〜6年)単位で整理する作業は、エクセルでは限界があるのが現状です。
(2)学年・クラスごとの違い
1年生は5限まで、6年生は6限までというように時間枠が異なる。
学年ごとに必修教科の週コマ数が異なり、例えば「理科3・社会3・外国語2・図工2…」などを正確に割り振る必要。
「連続2コマで理科」「木曜日に外国語は入れない」など、細かい独自ルールも多く存在します。
(3)人・施設・活動の調整
教員の兼任(例:音楽と家庭科の両方担当)がある場合、授業時間の衝突は厳禁。
クラブ活動・委員会・行事など、全校的なイベントと連動した調整が不可欠です。
そのため、最終的には「学校全体を俯瞰して配置」する必要があります。
2. BOTが解決するポイント
今回開発した「小学教諭向け時間割作成BOT」は、ChatGPTの高度なパターン認識とMarkdown出力を活用し、以下のような課題を自動的に処理します。

このBOTの最大の利点は、「指定クラス分を一括生成」できることです。特定学年のみの出力や、特定教科だけの再配置も対応しています。
3. 実際の動作例と出力フォーマット
BOTの出力結果は、Markdown表形式で自動整形されます。例えば「6年3組 時間割」は次のように出力されます。

※「分」は分割授業(専科担当)を意味します。
このように、教科配置・施設利用・人的リソースが自動で調整済みの時間割が数十秒で生成されます。さらに、BOTは「全学年・全クラス」用のテンプレートを同時出力することも可能です。
4. 活用の流れ ― 教員がやるべきことは3ステップ
ステップ1:条件の入力
学年ごとのコマ数・専科制約・曜日ルールなどを入力。
例:「理科は2コマ連続」「外国語は木曜以外」などを自然言語で指定。
ステップ2:AIが自動生成
ChatGPTが全条件を分析し、矛盾のない時間割表を出力。
同時に「外部科目(音楽・理科・家庭)」や「クラブ活動枠」も自動配置。
ステップ3:人間による微調整
実際の担任や行事予定に合わせて最終調整を数クリックで実施。
BOTは調整内容を学習し、次回以降の出力に反映可能。
💡 TIP:「1〜3年生だけ再出力」「専科のみ確認」など、部分的な修正も可能です。教務主任が全校の流れを確認しやすくなるよう、学年別/全体版の切替出力も選べます。
5. AI×教務業務のこれから ― 働き方改革への一歩



時間割作成BOTは単なる効率化ツールではなく、「学校の知見をAI化する試み」でもあります。

AIの導入は、単に「楽をするため」ではなく、教員が子どもと向き合う時間を取り戻すための手段です。
6. まとめと今後の展望
「小学教諭向け時間割作成BOT」は、学校現場におけるAI導入の成功例の一つです。複雑な条件を整理し、矛盾のない時間割を数十秒で出力することで、これまで教務主任が数日かけていた作業を大幅に短縮します。
今後のアップデート予定
クラウド共有機能(全職員でリアルタイム確認)
行事予定・会議日との自動調整
週次の「差し替え時間割」自動更新
最後に
AIによる自動化は、教育現場の創造的な時間を取り戻すための第一歩です。ChatGPTを活用した時間割作成BOTが、「人の知恵」と「AIの最適化」を組み合わせることで、これまでの常識を変える働き方を実現しています。
次は、行事予定や週案づくりとの連携にも挑戦していきましょう。AIは、あなたの教務を支える「もう一人の副主任」です。
今回はこれで終わりです。次回もお楽しみに!
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それでは、また次回の記事でお会いしましょう!






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