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「どこが変わった?」を目視で探すのはもう限界。NotebookLMで文章の違いを整理してみた

10月14日
読了時間: 9分

はじめに

学校では、似たような文書を見比べる場面が意外と多くあります。

たとえば、

・昨年度と今年度の校内文書・修正前と修正後の授業案・学年で共有された資料の最新版・保護者向けのお知らせ・会議で修正された議事録・同じ教材の改訂前・改訂後

などです。

「前の資料から、どこが変わったんだっけ?」

そう思って2つの文書を開き、画面を行ったり来たりしながら確認した経験はないでしょうか。

短い文章なら、それほど難しくありません。

「5月10日」→「5月17日」「体育館」→「多目的室」

といった違いなら、すぐに見つけられます。

ところが、文章が長くなると話は変わります。

一見するとほとんど同じ文章の中に、1か所だけ日付が違っていたり、対象者が変わっていたり、条件が追加されていたりすることがあります。

しかも学校の文書は、「ここだけ違えば意味が変わる」という重要な部分が混ざっていることもあります。

では、この「違いを探す」という作業を、生成AIに手伝ってもらうことはできるのでしょうか。

今回は、NotebookLMを使って文章の比較を考えてみます。



目次

①「文章の違い」を探す作業は、なぜ時間がかかるのか

②Wordにも文書を比較する便利な機能がある

③NotebookLMなら「違いを説明して」と頼める

④学校現場ではどんな場面で使える?

⑤AIに比較させるときこそ、先生の確認が大切・まとめ

「探す時間」を減らして「考える時間」へ



①「文章の違い」を探す作業は、なぜ時間がかかるのか

まず考えたいのは、なぜ文章の比較がこんなに疲れるのか、ということです。

例えば、次の2つの文章があったとします。

第1の板の中ほどに第2の板を接合し、T字を形成する。

一方はこちら。

第1の板の先端に第2の板を接合し、L字を形成する。

このくらい短ければ、

「中ほど」と「先端」「T字」と「L字」

という違いをすぐに発見できます。

しかし、これが数百行、数ページの資料だったらどうでしょう。

人間が文章を読み比べるときには、単純に文字だけを見ているわけではありません。

前後の意味を理解しながら、

「ここは同じ」「ここも同じ」「あれ?この表現が少し違う」

と確認していきます。

つまり、文章を比較する作業は、意外と集中力を使う仕事なのです。

特に授業準備や校務が重なっている時間帯に、この作業をするのはなかなか大変です。

「たった1か所を確認したいだけなのに、全部読み直している……」

そんな経験はありませんか?

ここで役立つのが、文書を機械的に比較する機能です。



②Wordにも文書を比較する便利な機能がある

実は、生成AIが登場する前から、文章の違いを確認する方法はありました。

代表的なのがMicrosoft Wordの「比較」機能です。

Microsoftの公式サポートによると、Wordのデスクトップ版では、[校閲]タブの[比較]から2つの文書を比較できます。

比較結果では、変更された箇所を変更履歴として確認できます。文字単位・単語単位など、比較方法を設定することも可能です。


つまり、

①元の文書を用意する

②変更後の文書を用意する

③Wordで比較する

④変更された箇所を確認する

という流れです。


これは非常に便利な方法です。

特に「どの文章が変更されたのか」を正確に確認したい場面では、Wordの比較機能が活躍します。

ただし、学校現場では「文書そのものを編集したい」のではなく、

「この2つの文章は、具体的に何が違うの?」

と、違いを言葉で整理してほしい場面もあります。

ここで発想を少し変えてみます。

「違いを赤字で表示してもらう」のではなく、

「違うところを説明してもらう」

という方法です。

そこで候補になるのがNotebookLMです。


③NotebookLMなら「違いを説明して」と頼める

NotebookLMは、資料を読み込ませ、その資料について質問したり、内容を整理したりできるAIツールです。

Googleの公式ヘルプでは、NotebookLMにソースを追加し、そのソースについて質問できることが説明されています。また、回答には引用が表示され、元の資料の該当箇所を確認できる仕組みも用意されています。

ここで面白いのが、「何について質問するか」をこちらで具体的に指定できることです。

例えば、2つの文章を1つの資料の中に、

【文章A】…………

【文章B】…………

という形でまとめます。

そして、

「文章Aと文章Bの違いを、項目ごとに整理してください」

と質問してみます。


さらに、

「変更された内容だけを抜き出してください」

「日付・場所・対象者・条件の4項目に分けて比較してください」

「意味が変わる可能性がある変更点を優先して教えてください」

のように、目的に合わせて質問を具体化することもできます。

ここが、単純な「目視」と大きく違うところです。

人間が一から違いを探すのではなく、

「何を比較したいのか」をAIに伝えて、整理を手伝ってもらう

という考え方です。


ただし、ここで一つ大切なことがあります。

AIに「違いを探して」と頼めば、それだけで確認作業が完全に終わるわけではありません。

NotebookLMは、アップロードしたソースをもとに質問へ回答するよう設計されています。Googleも、より具体的な質問をすることで、必要な情報を探しやすくなると案内しています。

つまり、「比較して」だけで終わらせるより、

「何と何を比較するのか」「どのような違いを知りたいのか」

を明確にすることが重要です。



④学校現場ではどんな場面で使える?

では、実際に学校で使うとしたら、どんな場面が考えられるでしょうか。

・昨年度と今年度の資料を比較する

年度が変わると、校内の資料や年間計画などが更新されることがあります。

そんなとき、

「去年と今年で何が変わった?」

を確認したいことがあります。


例えば、

・行事の日程

・担当者

・提出物

・実施場所

・対象学年

・活動内容

などです。


すべてを最初から読み直すのではなく、比較したい観点をAIに伝えて整理してもらうことで、確認の入口をつくれます。


②修正前と修正後の授業案を比較する

授業案を何度も修正していると、

「前回からどこを変えたんだっけ?」

となることがあります。


例えば、

・学習活動の順番

・発問

・児童の活動

・評価方法

・使用する教材

などを比較してみることができます。


特に、複数回の修正を重ねた資料では、「変更点を整理する」という作業そのものが負担になります。

AIには、

「修正前と修正後で、授業の流れに関係する変更点を整理してください」

のように頼むと、確認したい観点を絞りやすくなります。



③保護者向け文書の確認

保護者向けのお知らせでは、日付や場所、持ち物などの小さな変更が重要になります。

例えば、

「集合時刻が8時30分から8時45分になった」

という変更があった場合、文章全体を読み直すより、

「日時・場所・持ち物・提出期限の変更点だけを比較してください」

と指定する方法が考えられます。

もちろん、保護者に配布する最終版については、人間による確認が必要です。

AIが「違い」を整理してくれたとしても、その変更が正しいとは限らないからです。


④会議資料の変更点を確認する

職員会議などでは、資料が何度も更新されることがあります。

「第1版」↓「修正版」↓「最終版」

と増えていくと、どこが変わったのか分からなくなってしまいます。


そんなとき、

・追加された内容

・削除された内容

・変更された内容

・表現だけが変わった内容

のように整理してもらうと、確認しやすくなります。


あなたの学校では、こうした「最新版がどれなのか分からない問題」はありませんか?

実は、AI活用というと授業中の児童生徒への利用を想像しがちですが、こうした先生自身の校務を支える使い方も考えられます。



⑤AIに比較させるときこそ、先生の確認が大切

ここまで読むと、

「じゃあ、これからは文章比較を全部AIに任せればいいのでは?」

と思うかもしれません。

しかし、ここには注意が必要です。

AIが整理した結果を、そのまま「正解」として扱うのではなく、元の資料に戻って確認することが大切です。

NotebookLMでは、回答に引用が表示され、引用元の該当箇所を確認できます。つまり、AIの回答だけを見るのではなく、「どの資料を根拠にそう答えたのか」を確認できる仕組みがあります。

これは学校現場でAIを使ううえで、とても重要な考え方ではないでしょうか。


例えば、

①AIに2つの文章の違いを整理してもらう

②変更点を一覧で確認する

③重要な変更点を元資料で確認する

④必要に応じて修正・判断する

という流れです。


ここで先生が担うのは、「AIが見つけた違いを信じるかどうか」だけではありません。

その変更が教育上・校務上どんな意味を持つのかを判断することです。

たとえば、

「集合時間が10分変わった」

という事実をAIが見つけたとしても、

「この変更を保護者に改めて周知する必要があるか」「他の資料にも同じ変更を反映する必要があるか」

という判断までは、学校の状況を知っている先生だからこそできる部分があります。

AIは「違いを見つける」。

先生は「その違いに意味があるのかを考える」。

この役割分担が、現実的なAI活用なのではないでしょうか。



まとめ|「探す時間」を減らして「考える時間」へ

文章の比較は、一見すると単純な作業に見えます。

しかし、長い文書の中から細かな変更点を探すには、かなりの集中力と時間が必要です。

Wordには、2つの文書を比較して変更箇所を確認できる機能があります。

一方でNotebookLMでは、資料を読み込ませ、その資料について質問しながら情報を整理できます。回答には引用も表示されるため、元資料に戻って確認しやすい点も特徴です。

大切なのは、

「AIに正解を出してもらう」ことではなく、「確認作業の一部を手伝ってもらう」こと。

ではないでしょうか。

先生の仕事には、

「探す」「比べる」「整理する」

といった作業がたくさんあります。

そこにAIを上手に取り入れられれば、先生が本当に時間を使いたい、

「どう教えるか」「子どもは何を考えているか」「この教材で何を学んでほしいか」

といった、より本質的な部分に時間を戻せるかもしれません。

AIに任せるのは「判断」ではありません。

判断するための材料を整理する仕事を、少し手伝ってもらう。

そんな距離感から始めることが、学校現場でのAI活用の一つの形になるのではないでしょうか。


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それでは、また次回の記事でお会いしましょう!


 
 
 

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