Microsoft Copilot Studioの「コンピューターユース」機能:プロンプト操作でRPAを革新!
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更新日:3 日前
はじめに
AI技術の進化は目覚ましいスピードで進んでおり、業務効率化の新たな可能性を切り開いています。今回ご紹介するのは、Microsoft Copilot Studioに新たに搭載された「コンピューターユース」機能です。
この機能は、プロンプトを入力するだけで、まるで人が操作するようにウェブサイトやデスクトップアプリを自動で操作してくれるという画期的なもの。
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の概念を大きく変える可能性を秘めています。
本記事では、「コンピューターユース」機能の詳細、そのメリット、具体的な活用事例、そしてRPAに与える影響について、わかりやすく解説します。

目次
1. コンピューターユースとは?Copilot Studioの新機能
Microsoft Copilot Studioに新たに搭載された「コンピューターユース」機能は、AIエージェントがウェブサイトやデスクトップアプリケーションを、まるで人間のように操作できるようにするものです。これまでAPI連携が難しかったり、RPAで自動化が複雑だったりしたタスクも、自然言語で指示を出すだけで自動化できるようになります。具体的には、以下のような操作が可能です。
ウェブサイト上のボタンをクリックする
メニューから項目を選択する
画面上のテキストフィールドに文字を入力する
この機能は、早期アクセス研究プレビューとして提供されており、今後さらに進化していくことが期待されます。
2. コンピューターユースの仕組み:AIがアプリを理解し操作する

コンピューターユースの最大の特徴は、AIがアプリケーションのUI(ユーザーインターフェース)を理解し、操作できる点です。従来のRPAツールのように、UI要素の位置を固定的に指定するのではなく、AIが状況を判断して柔軟に対応します。具体的には、以下のプロセスで動作します。
ユーザーがCopilot Studioに自然言語で指示を入力します。(例:請求書管理システムの請求書IDを入力して検索し、請求書をダウンロードする)
Copilot StudioのAIエージェントが指示を解析し、必要な操作を判断します。
コンピューターユース機能が、Edge、Chrome、Firefoxなどのブラウザアプリやデスクトップアプリケーションを操作します。
操作結果をユーザーに提示します。
さらに、コンピューターユースは、アプリケーションやウェブサイトの変更を自動的に検知し、組み込みの推論によってリアルタイムに問題を修正します。そのため、UIの変更によって自動化が停止する心配がありません。
3. コンピューターユースのメリット:効率化、低コスト、高い安全性
コンピューターユースには、従来のRPAツールと比較して、多くのメリットがあります。
業務効率化: 定型業務を自動化することで、従業員はより創造的な業務に集中できます。
コスト削減: 手作業によるミスを減らし、作業時間を短縮することで、人件費や間接コストを削減できます。
高い安全性: Microsoftが提供するインフラストラクチャ上で動作するため、企業のデータは厳重に保護されます。
これらのメリットをまとめると、以下の表のようになります。

4. コンピューターユースの活用事例:業務効率化の可能性
コンピューターユースは、様々な業務プロセスを自動化し、効率化することができます。以下に具体的な活用事例をいくつかご紹介します。
自動データ入力: 複数のシステムからデータを収集し、一つのシステムに自動入力する。例えば、顧客情報を複数のデータベースから収集し、CRMシステムに自動登録するなどが考えられます。
例: 営業担当者が、複数の顧客データベース(営業支援システム、マーケティングツール、顧客管理システムなど)から顧客情報を収集し、Salesforceに自動的に入力する。手作業で数時間かかっていた作業が、数分で完了する。
市場調査: オンライン上の複数のソースから市場データを自動的に収集し、分析に役立てる。例えば、競合製品の価格情報を収集し、価格戦略を立てるなどが考えられます。
例: マーケティング担当者が、競合企業のウェブサイト、価格比較サイト、SNSなどから、競合製品の価格情報を自動的に収集し、自社製品の価格戦略に役立てる。
請求書処理: 請求書からデータを抽出して会計システムに入力するプロセスを自動化する。例えば、請求書PDFを読み込み、請求金額、請求日、取引先などを自動的に会計システムに入力するなどが考えられます。
例: 経理担当者が、大量の請求書PDFを読み込み、請求金額、請求日、取引先などを自動的に会計システム(例:freee会計、弥生会計)に入力する。手作業での入力ミスを減らし、大幅な時間短縮を実現する。
在庫管理: ECサイトの在庫数を定期的にチェックし、在庫切れを起こしそうな商品を自動的に発注する。
例: ECサイト運営者が、ShopifyやBASEなどのECプラットフォーム上の在庫数を定期的にチェックし、在庫切れを起こしそうな商品を自動的に発注する。
顧客対応: 顧客からの問い合わせ内容を分析し、FAQサイトから該当する回答を自動的に検索して提示する。
例: カスタマーサポート担当者が、顧客からの問い合わせメールを分析し、FAQサイトから該当する回答を自動的に検索して提示する。回答作成時間を短縮し、顧客満足度を向上させる。
5. コンピューターユースはRPAをどう変えるのか?
コンピューターユースは、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)のあり方を大きく変える可能性を秘めています。
従来のRPAツールは、UI要素の位置を固定的に指定する必要があるため、UIが変更されると自動化が停止してしまうという課題がありました。
また、複雑な業務プロセスを自動化するためには、専門的な知識が必要となる場合が多く、RPAエンジニアの育成や外部委託が必要となることもありました。
しかし、コンピューターユースは、AIがUIを理解し、状況に応じて柔軟に対応できるため、UIの変更に強く、メンテナンスが容易です。
また、自然言語で指示を出すだけで自動化できるため、プログラミングの知識がなくても簡単に自動化を構築できます。
これにより、RPAは、専門家だけでなく、現場の担当者自身が業務を自動化できるツールへと進化します。つまり、RPAの民主化が進むということです。コンピューターユースの登場により、RPAは以下の点で変革されると考えられます。
柔軟性の向上: UIの変更に強い、リアルタイムな対応が可能になる。
使いやすさの向上: プログラミングの知識がなくても、自然言語で簡単に自動化を構築できる。
導入コストの削減: 専門的な知識を持つ人材の育成や外部委託が不要になる。
6. コンピューターユースを使う上での注意点
コンピューターユースは非常に強力なツールですが、使用にあたっては以下の点に注意が必要です。
セキュリティ: 自動化するアプリケーションへのアクセス権限を適切に設定する必要があります。特に、機密情報を取り扱う場合は、十分なセキュリティ対策を講じる必要があります。
エラーハンドリング: 自動化が失敗した場合の処理を事前に定義しておく必要があります。例えば、エラー発生時に通知を送る、エラーログを出力するなどの対策が必要です。
テスト: 自動化を本番環境で実行する前に、十分なテストを行う必要があります。テストデータを使用し、様々なケースを想定して動作確認を行うことが重要です。
複雑な業務プロセス: あまりにも複雑な業務プロセスは、コンピューターユースでの自動化に適さない場合があります。そのような場合は、業務プロセスを簡素化したり、複数の自動化に分割したりするなどの工夫が必要です。
7. まとめ:コンピューターユースで広がる自動化の未来
Microsoft Copilot Studioの「コンピューターユース」機能は、プロンプト操作でRPAを革新する可能性を秘めた画期的な機能です。AIがアプリケーションのUIを理解し、操作できるため、従来のRPAツールでは難しかった自動化も実現できます。
コンピューターユースを活用することで、業務効率化、コスト削減、安全性向上といった多くのメリットが得られます。また、RPAの民主化が進み、専門家だけでなく、現場の担当者自身が業務を自動化できるようになります。
今後は、コンピューターユースの進化とともに、AIを活用した自動化がますます普及していくことが予想されます。企業は、この技術を積極的に導入し、業務プロセスの改革を進めていくことが重要です。
次のアクション:
Microsoft Copilot Studioの「コンピューターユース」機能の早期アクセスプログラムに申し込む。
自社の業務プロセスを見直し、コンピューターユースで自動化できる業務を探す。
トライアル環境でコンピューターユースを試してみる。
この記事が、皆様の業務効率化の一助となれば幸いです。
今回はこれで終わりです。次回もお楽しみに!
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それでは、また次回の記事でお会いしましょう!
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