成績表の所見欄を「負担減」しながら質を高める——AIを活用した評価文章づくりの実践ガイド
- 自習ノート2
- 1 日前
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はじめに
学期末が近づくと、多くの先生が頭を抱える作業があります。それが 「成績処理」 と 「通知表の所見記述」 です。
どんなに普段から児童生徒を丁寧に見取っていても、一人ひとりの良さや成長を「200字の文章」としてまとめる作業は非常に時間がかかるものです。
さらに、「保護者が読んで安心できる表現にしたい」「センシティブな情報は書けない」「ネガティブに聞こえないように気をつけたい」など、気を配るポイントが多く、疲労感は大きくなりがちです。
そこで本記事では、
「AI(ChatGPT)を活用して、所見欄の作成負担を大幅に減らしつつ、読みやすく前向きな文章に仕上げる方法」
を、初心者にもわかりやすく紹介します。
実際のプロンプト(入力文)サンプル、評価シートの準備、校正のやり方、写真・動画の挿入案まで、実務に直結する形でまとめました。管理職の先生やICT担当者が教員研修で紹介できるような構成にもなっています。
目次
1. 成績表の所見づくりが大変な3つの理由
所見作成が負担になる背景には、次のような理由があります。
■①「文字数が限られている」
200〜250字程度にまとめなければならず、良い点だけではなく努力点・今後の期待まで盛りこむ必要があります。
■②「ネガティブに書けない」
保護者に伝わる文章にするには、
配慮
丁寧な言い回し
センシティブ情報の排除が必須です。
■③「人数が多い」
学級人数が30名とすると、3パターン×30名=90文を一から書くのは非常に大変です。
2. まずやるべき準備:評価メモの整理方法
AIに所見を書いてもらう前に、教師側が 「材料」を整理しておくことが重要 です。材料が整っていれば、AIが作成する所見文の精度は大きく向上します。
2-1. スプレッドシートで作る「所見メモ表」
Googleスプレッドシートに、次のような表を作ると便利です。
▼所見メモ用のテンプレート(例)

2-2. 実例:メモの書き方(良い例・悪い例)

3. AIに所見の「たたき台」を書かせるプロンプト
いよいよ、AIに文章を作らせるステップです。
以下のプロンプトをそのまま貼り付ければ、200〜250字で3パターン の所見文を生成できます。
▼所見案生成プロンプト(コピペOK)
あなたは中学校の学級担任です。
通知表の所見文のたたき台を作るサポートをしてください。
条件:
これから入力する『生徒の学習面・生活面のメモ』をもとに、
200〜250字程度の所見案を3パターン示してください。
表現は保護者が読んで分かりやすく、
児童生徒の努力を尊重した前向きな表現にする。
特定の障害名や家庭事情などセンシティブな情報は書かない。
構成は
1. 長所
2. 努力点
3. 今後期待すること
の順でお願いします。
<ここに自分のメモを貼る>
4. 文章の校正はAIに任せる:丁寧で前向きな文章に整える方法
AIが作った文章を「もう少しだけ丁寧に」「少しやわらかく」したいときは、以下のプロンプトを使います。
▼校正用プロンプト(コピペOK)
あなたは日本語の文章を校正する係です。
次に貼る通知表所見文について、
・誤字脱字・助詞の誤り・不自然な文を直す
・児童生徒と保護者の気持ちに配慮した、丁寧で前向きな表現に整える
・文字数を大きく増やさず、言い換え中心で修正する
というルールで添削してください。
修正後の文章のみを出力してください。
<ここに所見文を貼る>
■どんな時に使う?
文末が硬いとき
長所 → 努力点 → 期待 の流れが不自然なとき
表現が淡々としているとき
5. 実践例:実際にAIが書いた所見文の変化
以下に、AIが書いた文章の改善前・改善後を示します。
▼改善前

▼改善後(校正プロンプト適用)

■校正のポイント
表現が“柔らかく”なっている
文と文のつながりが自然
保護者が読んで安心できる文章に整理されている
6. まとめ:AIを使うと先生が「本来の教育活動」に集中できる
通知表の所見作成は、時間も精神力も使う大きな仕事です。しかし、AIを適切に使えば、
文章づくりの負担を大きく reduction
より丁寧で前向きな所見を作成
個々の児童生徒を肯定的に捉えた評価を提供
といった効果が得られます。
特に、「メモを整理 → AIでたたき台 → AIで校正」という3ステップは、多くの先生がすぐに取り入れられる方法です。
AIはあくまで サポート役。最終的な判断は教師が行いますが、機械的な作業を任せることで、先生は 授業づくりや子どもとの関わり など、本来大切にすべき部分に時間を使うことができます。
おまけ:所見文章テンプレート
以下の文章は、AIなしでもそのまま使える汎用的な所見テンプレートです。
パターンA:バランス型
こちらの生徒は、学習面では授業への参加意欲が高まり、理解を深めようとする姿勢が安定しています。生活面でも友達との関わりが増え、学校生活を前向きに送る様子が見られます。また、自主学習にも丁寧に取り組み、継続して努力する姿が印象的です。今後は、課題に計画的に取り組む習慣をより確かなものとし、自ら学びを広げていくことを期待しています。
パターンB:学習面を中心に評価
授業での発言が増え、積極的に学習へ参加しようとする姿勢が育っています。提出物や課題にも丁寧に向き合い、理解が深まってきました。また、仲間と協力して活動する場面が見られ、学級の良い雰囲気づくりにも貢献しています。これからは、さらに自分の考えを分かりやすくまとめ、伝える力を伸ばしていくことを楽しみにしています。
パターンC:生活面・人間関係を中心に評価
明るく前向きな態度で学校生活を送り、友達への思いやりが自然に表れています。係活動にも責任感をもって取り組み、周囲の信頼を得ています。
学習面でも授業に集中し、分からないことに向き合う姿勢が安定してきました。今後は、学んだ内容を生活や活動に生かしながら、さらに自分の可能性を広げていくことを期待しています。
今回はこれで終わりです。次回もお楽しみに!
<自習ノートについて>
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